アフタヌーンティ

Tea drinkers

英国人は頻繁に紅茶をいただきます。オフィスの仕事中に紅茶、ゲストが来るたびに紅茶。少し疲れたから紅茶、ストレスを感じたから紅茶。頑張って集中して仕事したから紅茶。嬉しいことがあったから紅茶。私が日本に住んでいた頃、実家では1日中絶え間なく煎茶、玄米茶、玉露、ほうじ茶を飲んでホッと一息ついていました。お茶器が乾く間がないほどに。

私が2001年に初めてUKの南西部の美しい古都バースに留学生として住み始めた頃、ホストファミリーの英国夫人ミセスニシオ(当時80歳で私が出会う前には日本人の旦那さんと結婚されていた未亡人)とTVや映画を見ながら頻繁にお茶を飲んで、今日起きたことを話しながら夜中まで話し込んでいました。私が日本に住んでいた頃、母とお茶をのみながら今日の出来事を話していたこととあまり変わらない日常で、ホームスティを始めて数週間後にはイギリス生活にすぐに馴染んでいたことを思い出します。

イギリスでのお茶文化は17−19世紀に始まったと言われています。今でも楽しまれているアフタヌーンティなど、日本の茶道とはまた違ったかたちでお茶文化が根付いています。この頃中国から輸入されるお茶はアッパークラスの間でも非常に高価なもので、ティキャディと呼ばれるお茶をいれる小さなボックス(陶器、木製などマテリアルは様々)には鍵がかかっていて、この家の女主人が鍵を持っていて鍵を持った人でないとティキャディを開けてお茶を飲むことができなかったほどです。現在でもアンティークの古く、美しいティキャディをイギリスのアンティーク店やアンティークフェアで見かけますし、ティキャディを集めている収集家もたくさんいます。日本のお茶文化の中で育った私にとってはこのイギリスのティ文化は異文化でありながら、どこか日本の茶道のお道具を集める感覚で懐かしくも感じられます。

今では簡単に手に入って消費されているお茶ですが、クオリティも価格も様々で、高価なお茶しか飲まない人もいれば、「ビルダーズティ」と呼ばれる工事現場で働く人たちが休憩時に飲むと言われる安価で大量に飲む紅茶もあります。お茶文化は英国でも非常に深い文化だと思います。次回は英国でトレンドの日本のお抹茶についてお話しします。