欧州リテイルコンサルタント

日本語から英語への翻訳

Maison & Objet Paris, London Design Fair, Milano design fairなど多くの人が集まる欧州でのデザインフェアに出展する日本のブランド、会社のスタンドを見かけると、自然に応援したい!という気持ちになります。大企業の出展であればイベントの一つで大きな賭けではないでしょうが、小さな会社にとっては欧州進出のための大事な一歩であり、このデザインフェアに賭ける意気込みも伝わってきます。欧州進出のため、みなさんもちろん英語の翻訳版の資料をお持ちなのですが、デザインも製品のクオリティも非常に洗練されているのに英語のパンフレットの翻訳の内容がブランドの価値を落としているケースを多々見かけます。(比較的認知度の高いブランドでもウェブサイトの英語が?の場合もかなりあります)。みなさん日本の翻訳会社で日本語が英文になった時点で翻訳会社を信頼してOKを出されているのかもしれませんし、それ以上にどのように翻訳のクオリティをチェックしたらよいのか方法がないのかもしれません。

そこで、英国で活動する日本人インターナショナルマーケティングコンサルタントとして、下記の二つのアイデアをお勧めします。

1つ目は翻訳会社に翻訳を依頼する際に「主に日本人の行う日本語から英語への下訳の後に、必ず英語のネイティブの人が行うネイティブチェック作業」をリクエストすること。ここで文法の明らかな間違いやスペリングの間違いは改善されます。イギリス英語とアメリカ英語ではスペリングも違います。例えばアメリカ英語ではColorがイギリス英語ではColour。アメリカをターゲットとしているならアメリカ英語で良いのですが、欧州市場をターゲットとするならばイギリス英語の翻訳が望ましいです。

 2つ目は日本語のパンフレットをそのまま翻訳するのではなく、日本に住んでいない人、海外マーケットをターゲットとするので、英語のパンフレットは日本語版後は別の内容で書く作業。例えば博多のブランドであった場合、九州、博多がどこにあるのかを日本人向けのパンフレットに書く必要はありませんが、欧州向けの資料には九州がどこで博多はどんな都市でどんな歴史があるのか説明が必要です。日本語と英語の資料の内容が違っていても問題はありません。この場合本当に大切なのは、ブランドのコンセプト、哲学、歴史、ストーリーを日本人以外の人々に伝え、そしてビジネスとして成立させることです。

 信頼できる英語ネイティブの友人やパートナーがいればパンフレットの印刷の前に必ず英語を読んでもらって、英文のクオリティを直してもらったり、日本の基礎知識がない人が読んでも納得できる内容であることを確認したいです。

 みなさんも欧州のブランドが発行する日本語のパンフレットで日本語の文法がちょこちょこ間違っていたり、子供のような言葉使いであれば信用できないと思うはずです。せっかく費用をかけた欧州でのデザインフェアへの出展、事前の準備はしっかり行いたいです。